「山に恩返しをしたくて」スコットランド・ハイランドのボランティア旅
自然を愛する人なら、一度は考えたことがあるだろう。観光ではなく、汗を流して山に恩返しする旅を。スコットランド北西部ウェスター・ロスでのボランティア滞在記。
公開日時: 2026年8月29日 7:04 · 更新: 2026年9月27日 22:48
機械翻訳です。正確な内容は原文をご確認ください。新しい翻訳の作成にはログインが必要です(1日3回、本文などの合計24,000文字まで)。
「山に恩返しをしたくて」スコットランド・ハイランドのボランティア旅
スコットランドのハイランド地方。霧に煙る山肌、青黒い湖、どこまでも続く荒野の風景。私にとって、それは長年憧れ続けた場所だった。だが、今回は「観光」ではなく「山に何かを返す」ことが目的だ。
やって来たのは、スコットランド北西部のウェスター・ロス。イギリス本土でも屈指の美しさを誇るこの地域は、日本で言えば、北アルプスの山々と松島の入り江を合わせたような、壮大な景観を有している。近年、トレッキング人気の高まりで登山道が損傷し、自然環境への影響が問題に。その修復作業を担うボランティアに、私は参加した。
宿泊先は、小さな村にある古いコテージ。同室はロンドンから来た大学院生と、マンチェスターの銀行員。初対面ながら、目的は同じだ。翌朝、ガイドのジョンに連れられ、作業現場へ向かう。車で30分、舗装された道が終わると、そこからは徒歩。リュックには、ピッケルやシャベル、軍手が詰まっている。
現場は、峠道の急斜面。雨でえぐられた地面は深さ50センチにも及び、放置すれば浸食がさらに進む。作業は、まず水の流れを変えるための溝掘りから。そして、周囲から集めた石を積み上げて階段を作る。重い石を抱え、汗を流しながらの作業は、想像以上の重労働だ。ふと顔を上げると、眼下にはエメラルドグリーンの入り江と、どこまでも続くヒースの丘。思わず息を呑む美しさだった。
「まるで神様の庭だね」。隣で作業していた銀行員が言葉を漏らす。スコットランド人がここを「楽園」と称するのも頷ける。しかし、その楽園を守るためには、人間の努力が必要なのだ。作業は2日間。最終日には、すれ違うハイカーから「ありがとう」と声をかけられた。たった一言だが、たまらなく嬉しかった。この道を歩く人々のために、自分たちが役に立っている。その実感が、疲れを吹き飛ばしてくれた。
夜は、参加者全員でパブに集まった。地元のスコッチウイスキーを片手に、それぞれがボランティアに参加した理由を語り合う。「自然を守りたい」「老後の趣味に」「リハビリを兼ねて」……。人それぞれだが、共通するのは「この風景を未来に残したい」という想いだ。スコットランド人にとって、ハイランドの山々は単なる観光地ではない。彼らの誇りであり、魂のよりどころなのだ。
話は、この地域の歴史にも及んだ。18〜19世紀、いわゆる「ハイランド・クリアランス」により、多くのスコットランド人が土地を追われ、アメリカやカナダへ移住を余儀なくされた。今は静かに見える谷も、かつては人々の営みが息づいていた場所。その歴史を思うと、自然と人間の関わりについても深く考えさせられる。ボランティア作業は、単なる環境保全ではなく、過去と未来をつなぐ行為でもあるのだ。
この経験を通じて、私が学んだのは「恩返し」の本来の意味かもしれない。自然に恩返しをするとは、特別なことではない。一歩を踏み出し、汗を流すこと。そして、その場所の歴史や文化に耳を傾けること。そうやって、私たちは少しずつ自然と向き合っていくのだろう。
ハイランドの山々は、与えてくれるものが大きい。美しい景色、爽やかな空気、忘れられない思い出。しかし、その恩恵に預かるだけでは、決して対等な関係とは言えない。ボランティア旅は、そんな「当たり前」に一石を投じる旅だった。
もし、あなたが自然を愛する人なら、一度考えてみてほしい。観光で訪れるのではなく、汗を流しに訪れることを。スコットランドの雄大な自然は、きっとあなたを温かく迎えてくれるはずだ。そして、帰るときには、少しだけ誇らしい気持ちになっていることだろう。
Full stack 技術者